入所前からコンビを組んでいた者、
入所してから相手を探す者、
ピンでやっていくと決めた者。
いつまで一緒にやれるかはわからない。
明日には解散するかもしれない、新たな相手と組むかもしれない。
あるいは、最後の瞬間まで同じ舞台に立つかもしれない。
ただひとつわかっているのは、今この瞬間、俺の相方はこいつだけだということ。
照明が落ちて、客席が暗闇に沈む。
鼓動はざわめきよりも大きく、
吐息がBGMを飲み込んで、
耳に届くのは彼の息遣いだけ。
袖から見つめる先、輝くステージには一本のセンターマイク。
隣には相方が立っている。
だから、唯一つ確かなことを証明する。
――俺の相方が世界で一番面白い。